今年に入って台風により大規模な被害が続けて頻発しています。
そんな時、気になる浸水深を調べることが出来るのがハザードマップ。
我が家では13年前に家を建てる時に、ハザードマップをチェックして場所を決めましたが、今は「どこが」「どのぐらい水に浸かるのか」ということだけでなく、「どのぐらいの時間水に浸かるのか」「いつ浸かるのか」という情報まで知ることができるようになっています。
そこで、どのマップからどのような事がわかるのかや、浸水深の調べ方やマップの見方についてお伝えしたいと思います。
1.浸水深はこのマップで調べる
浸水深の調べ方は、この3つのマップを使うことができます。
最初に国土交通省によるハザードマップポータルサイトを調べてみましょう。
ここには重ねるハザードマップと自治体が作成しているハザードマップの両方を調べることができます。
もう一つは、地点別浸水シミュレーション検索システムです。
これはアニメーションで、堤防が決壊した後、どこがいつどのぐらい水に浸かるのかを示してくれるものです。
まずはこれらの3つのマップを確認するようにしてみましょう。
2.ハザードマップ使った浸水深の調べ方
2-1 凡例を確認する
このハザードマップでは、「どこが」「どのぐらい水に浸かるのか」を調べることができます。
ハザードマップを調べるのに一番簡単なのが、上で紹介した国土交通省によるハザードマップポータルです。
「ハザードマップ」で検索すると一番上位に表示されるサイトです。
ハザードマップには以下の図のように浸水する場所が色が塗られています。多くの場合、色が濃い場所は浸水深が深く、色が薄い場所が浅いと言う感じです。
これは、国土交通省のハザードマップポータルサイトの重ねるハザードマップの表示です。
上の図の場合、浸水深の区分は以下のように8段階で区分けされています。濃い色が浸水深の深さが深いことを示しています。
ちなみに浸水深が3mまでだと1階部分が水に浸かります。
3m以上になっていると、2階も浸かってしまうので注意が必要です。
5m以上だと、一般住宅は2階の天井まで水に浸かっちゃいます!!
2-2 ハザードマップで住所を指定した浸水深の調べ方
問題は、マップだと自分の家が立っている場所の浸水深が判別できない時があります。
そういう時はこれを使ってみましょう!
最初は検索窓に住所を入力する方法です。
下図のように、住所の検索窓に住所を入力すると、その地点が表示されます。
続けて、地図上に表示された旗マークをクリックします。
すると、その場所の浸水深が表示されます。
これで自分の自宅や職場等の場所の浸水深を確認することができたと思います。
3.浸水深と一緒に知っておきたい浸水継続時間
洪水ハザードマップで知ることのできる情報に「浸水継続時間」というものがあります。
これは、一度浸水してしまった後、50cm以上水に使っている時間がどのぐらいになるのかが想定された結果が表示されているものです。
つまり、一度浸水してしまった後は、「いつまで水に浸かるのか」が分かるマップです。
以前はこういう情報は公開されていませんでしたが、最近、この浸水継続時間が公開されていることに気が付きました。
例を見てみましょう。
下図は荒川下流河川事務所のサイトに掲載されているハザードマップでの情報です。
こちらのサイトには、浸水想定区域図と一緒のPDFに浸水継続時間の図が表示されています。
これを見ると、濃い紫色になっている荒川の下流の台東区、墨田区、江戸川区は2週間以上水が引かないという想定になっています・・・(考えただけで恐ろしい!)。
この浸水継続時間は今のところ国土交通省のハザードマップポータルサイトでは表示されないようです。
国土交通省の河川事務所のウェブサイトや都道府県サイトに掲載されている洪水ハザードマップに浸水継続時間が掲載されている場合があります。
仮に2階に避難した場合、水がすぐにひいてくれればいいですけど、もし長い時間水がひいてくれなければ2階に避難することは得策ではありません。
そのため、ハザードマップで浸水深を調べる時には、浸水継続時間も調べておく方が良いでしょう。
こういう情報が事前に分かっていたら、もう少し対応を変える必要がありますよね。
4.いつ、どこが、どのぐらいの浸水深になるのかが分かる
最後にいつ、どこが、どのぐらい水に浸かるのかを知ることのできる国土交通省が公開しているすごいシステムを紹介しておきます。
これが、1で紹介した地点別浸水浸水シミュレーション検索システムです。
河川のどこが決壊したら、どこが、いつ、どのぐらい浸水するのかをアニメーションで分かるようになっています。
浸水するイメージが相当リアルになりますので、自分の家の場所の様子は是非確認しておいた方がいいでしょう!
これは荒川下流です。
河川の両岸で破堤したと想定する場所をクリックすると、赤色で☓が表示されます。
左上の「開始」ボタンを押すと、時間経過に伴って浸水するエリアが広がる様子がアニメーションで表示されます。
川から少し離れた場所だと、自分のところまで水に浸かることがイメージにしにくい場合があると思います。
しかし、これを見ると水に浸かってしまうことがかなりイメージしやすくなると思いますし、堤防が決壊した後、いつごろまでに自分の家が水に浸かり始めるかもわかります。
一般のハザードマップには「時間」の概念がありませんし、今ひとつリアリティに欠ける感じがします。
しかし、このシミュレーションは浸水箇所がどのように広がるのかを理解することができるため、危険箇所を知らせるハザードマップとしては相当強力なマップだと言えます。
5.浸水深が表示されているハザードマップは4種類
今までは洪水ハザードマップを中心に浸水深を調べる方法について触れてきました。
ちなみに、「浸水深」を調べることのができるハザードマップは以下の4つとなります。
1つ目が洪水ハザードマップ。コレが一般的です。
2つ目は津波ハザードマップです。津波を想定したハザードマップです。
3つ目が高潮ハザードマップ。
4つ目がため池ハザードマップ
自分が家を建てる時にチェックしたのが洪水ハザードマップと津波ハザードマップでした。
洪水で水に浸からない場所でも、津波や高潮、ため池決壊等で水に浸からないかどうかも合わせて確認しておきましょう。
6.洪水ハザードマップは市町村公表のものを指す
この情報は今までよく分かっていませんでしたが、今回調べたことで理解した情報です。
洪水ハザードマップは大きく2種類があります。
一つは国(国土交通省)と都道府県が水防法に基づき「洪水予報河川及び水位周知河川」に指定された河川が氾濫した時に浸水が予想される区域を表示したものです。
この国が作成した図は洪水浸水想定区域図と言っており、正式には洪水ハザードマップとは呼ばないようです。
その洪水浸水想定区域図をもとに、避難に必要な情報を加えて市町村が作成したものが洪水ハザードマップと言われています。
このように、洪水ハザードマップは市町村が作成したものを言います。
知りませんでした・・・。
まとめ
今回は最近気になる水害への備えとして、自分の家や職場がどのぐらい水に浸かるのか、浸水深を調べる方法を紹介しました。
基本的には洪水ハザードマップを確認し、調べたい場所の浸水深を凡例から読み取るということになります。
国土交通省のハザードマップポータルサイトからは、地図をズームアップして場所と浸水深を確認することができるので便利です。
そして、浸水する場所と深さだけでなく、浸水が継続する時間も最近は公開されているため、その浸水継続時間も確認しておくことが有効だということをお伝えしました。
それと改めて整理すると、ハザードマップで分かることは
- 浸水する場所
- 浸水する深さ(浸水深)
- 浸水が継続する時間(浸水継続時間)
- いつ水に浸かるのか
の4つです。
早速、ハザードマップポータルサイトと近くの国土交通省の河川事務所か都道府県のサイト、市町村サイトに掲載されている洪水ハザードマップ、そして、地点別浸水シミュレーション検索システムを確認してみましょう!