春の花の1つである沈丁花。
この漢字を見ただけだと、もしかしてピンと来ない方もいるかもしれませんね。
「ジンチョウゲ」とか「チンチョウゲ」と言ったらわかるかもしれません。
この沈丁花には花言葉があるのですが、なんだか宗教がかっている感じなんです。
そこで、この春の花の沈丁花の名前やその花言葉の由来から、沈丁花についていろいろと調べ、考えてみました。
1.そもそも沈丁花の花言葉は?
沈丁花の花言葉は、調べてみると3つの種類に分けられます。
一つは、
- 不死
- 不滅
- 永遠
というように、少し宗教っぽい雰囲気のある花言葉。
そして、
- 栄光
もう一つは、
- 歓楽
と、ちょっと種類が違う花言葉があります。
当然、この3種類の花言葉は由来に違いがあると考えられます。
そこで、得られた情報から花言葉の意味の違いの由来を考察してみました。
2.花言葉の由来の最初のお断り
それで、この沈丁花の花言葉の由来も調べてみたんですけど、花言葉の前にこの沈丁花っていう名前の由来に関係していることが少し分かってきました。
ただし、ネット上にいろいろな情報が出ていますが、どれもバチッと明確に紹介されているものはありませんでした。
そこで、自分の場合も少し推測を入れながら考察してみました。
ただし、あくまで得られた情報から個人的な推測がかなりあることをご了承ください。
という前提のものと、早速紹介してみたいと思います。
3.どうやら月桂樹に関係している
まず、花言葉の一つはどうも月桂樹に関係しているっていうことが分かりました。
月桂樹っていうと、月桂樹の枝を編んで作った「月桂冠」が、勝利と栄光のシンボルですよね。
沈丁花の花言葉の栄光は、どうやらこの月桂冠が表す栄光や勝利っていう意味から来ているようです。
つまりこういうことです。
3−1 アポロンとダフネの話
沈丁花の学名は「Daphne odora」と言います。
この名前に意味があるんですね。
実はこの最初の「Daphne」はギリシア神話の女神ダフネ、
そして「odora」は芳香があることを意味します。
この女神ダフネについては、こんな話があります。
ある日、太陽神アポロンは愛の神エロスが弓矢で遊んでいるのを見て、子供がそんなものをおもちゃにしてはいけない、とからかったそうです。
愛の神エロスは怒って、金の矢と鉛の矢を2本放ちました。
金の矢は恋に陥る矢、そして鉛の矢は恋をはねつける矢でした。
金の矢はアポロンにささり、鉛の矢は川の神の娘のダフネにささりました。
この2つの矢が射たれてから、アポロンはダフネを恋し、そしてダフネはアポロンを拒否することになったんです。
アポロンはダフネを追いかけますが、ダフネは逃げ続けます。
そして、ダフネは父親である川の神のところへ駆け込み、私の姿を変えて欲しいと頼むのです。
そして、その願いが聞かれ、ダフネは月桂樹の木になっていきました。
アポロンは嘆き悲しむのですが、愛の証としてそのダフネの月桂樹の葉で冠を作り、生涯それを頭にかぶっていた・・・、という話。
という話から、不死、不滅、永遠という花言葉になっていったと思われます。
3−2 主神ユピテルの木としての意味
ユピテル(またはユーピテル)はローマ神話の主神です。
月桂樹はこの主神ユピテルの木とされていました。
そのため、戦場で勝利を収めた将軍がローマ入りする前に、使者に月桂樹の枝を持たせて主神ユピテルに奉納する習慣があったそうです。
このような習慣から、月桂樹が勝利者のシンボルにもなったとのこと。
恐らく、月桂樹の 勝利→栄光 というものが、月桂樹=ダフネにだぶり、沈丁花にも栄光という意味がもたらされるようになったのではないかと考えました。
このようにして、この栄光という意味が沈丁花の2つ目の花言葉となったのではないでしょうか?
4.沈丁花の香り
沈丁花の花は強く良い香りをもっています。
沈丁花の学名の「Daphne odora」の「odora」が芳香があることを意味すると2−2で紹介しました。
心地よい芳香を持つ木材のこと香木と言うんですけど、実際、沈丁花の香りはその香木の王様と呼ばれる「沈香(じんこう)」に似ています。
このように、強い良い香りがする沈丁花に、歓楽という花言葉がついてきたんでしょうね。
まとめ
以上のように、春の花の一つである沈丁花の3種類の花言葉の由来を見てみました。
- 最初の種類の不死・不滅・永遠は女神ダフネと月桂樹の物語から
- 2番目の栄光はローマの主神ユピテルにあてた月桂冠の習慣から
- 最後の、歓楽は沈丁花の花の強く良い匂いから
ということだろうと思われました。
恐らく、こういう背景や理由があっての花言葉のようで、恐らくこういうことだろうと思われますが、詳細については微妙にニュアンスが違っている可能性もあるため、もう少し詳しく調べて検証してみたいと思います。