今回の熊本地震は2016年4月14日と16日に発生した大きな揺れによって、被災地では大きな被害が発生しました。
この地震は内陸にある活断層が動いたことによって引き起こされました。
国内にはたくさんの活断層があり、さらにこれまで活断層が動くことによって大きな地震が度々発生していることから、私たちは活断層に対してもっと警戒しておく必要があります。
そこで、今回は全国の活断層がどこにあるのか、それを示しているマップの情報についてお伝えするとともに、必要な対策について考えてみました。
全国の活断層が示されているマップ
ずっと以前は、例えば下図のような専門書籍でしか、詳細な活断層の情報は手に入れることができませんでした。
しかし、今は活断層についていろいろな情報がインターネット上に公開されるようになりました。
その中で全国の活断層がマップ化されている情報は以下のサイトに掲載されています。
検索することで地域の細かい活断層の位置まで調べることができます。
見やすく、掲載されている断層数が多いのが特徴。
左のメニューを操作することで国内の主要活断層帯を表示させることができます。
地震情報サイトJIS 活断層地図 主要活断層 98断層帯のリスト
98の活断層の内、20断層分は細かい情報が整理されています。
国内の主要な97の活断層について詳しい説明が紹介されています。
2010年1月現在の国内の主要活断層の評価結果がPDFで表示。
国内の主な活断層と想定される地震について地図に表示。1枚のPDFファイルです。
1991年に出版された「新編日本の活断層」の情報を表示させています。
未知の活断層がある・・
活断層とは、最近の地質時代に繰り返し活動し、将来も活動する可能性のある断層のこと。
現在、日本には2,000以上の活断層があると言われていて、その内、主要な活断層が97ほど選定されています。
これらの主要な活断層については、上記のようにマップが作られていたり、地震の発生確率等が紹介されています。
ちなみに、産業技術総合研究所の活断層に関するページには
A. 日本列島の陸上部に存在する活断層のうち、単独で大地震を発生させるような規模の活断層は、おおむねすべて発見されていると思われます。
ただし、沿岸部や火山地域には、まだ十分に確認できていない活断層が存在する可能性があります。
また、活動度の低い活断層や短い活断層についても、未確認のものが存在する可能性はあります。
とありました。
このページがいつ作成されたのは不明ですが、「単独で大地震を発生させるような規模の活断層は、おおむねすべて発見されている」との見解が示されています。
まだ発見されていない活断層もあるだろうけど、大きい被害を起こすようなものはわかっているはず・・・、こんなニュアンスですね。
しかし、実際は2000年に起きた鳥取県西部地震(M7.3)や2008年の岩手・宮城内陸地震(M7・2)は、地震前には確認されていなかった活断層が動き発生したと言われています。
ということは、まだ発見されていない未知の活断層が原因となっている地震も結構起きているということです。
そのため、現在判明している活断層だけを警戒しておくわけには行かないというのが現状のようですね。
活断層近くではどのような対策が必要?
今回の熊本地震は活断層が動く事によって発生しています。
このように活断層周辺では地震が発生する可能性が無い場所と比べて高くなるので、活断層があるとわかっている場所の周辺では何からの対策をしておくべきです。
じゃ、自分の家が活断層のそばにあったりしたら一体どうすればいいのでしょうか?
先ほどの産業技術総合研究所のサイトには、以下のように記されています。
Q.家の近くに活断層がある場合,何に気をつければいいのですか?
A. まず、その活断層がどのような性質を持っているのか、およそ何年おきに大地震を発生させるのか、活動したときにどのような被害が想定されるのかを知っておくことが重要です。
活断層の性質や活動間隔については、このデータベースでも見ることができますが、国の評価結果については地震調査研究推進本部の活断層の長期評価に掲載されています。活断層が活動したときの被害の想定や対策については、都道府県などでまとめられています。
ここでは、活断層の性質や活断層の活動によって想定される地震被害についてまず知っておくことが必要とあります。
そのためのマップのようです。
ただし、個人レベルの対策は明確に示されていませんでした。
活断層がある周辺では重要施設を移転させる必要性などが検討されてきていました。
ただし実際にやるとなるとお金の問題などがあり難しいため、進んでいないようでした。
そんな中、2012年に徳島県では全国の都道府県に先駆けて、活断層周辺の区域では学校や病院、ホテルなどの建設を規制する条例を決めています。
では、個人はどのような対策が必要でしょうか?
少なくても現在わかっている活断層の位置は把握するようにし、家を建てる場合は少なくとも活断層の周辺を避けるようにする必要はあります。
また、既に活断層の周辺に自宅がある場合、移転できれば一番良いとは思いますが、今回の地震でも見られているように、古い住宅は軒並み大きな被害を受けていますので、少なくても補強をするか、建て替えることが必要だと思われます。
ただし、それも地震の規模が大きくなると限界があることは理解しておくべきでしょう。
まとめ
今回は熊本地震の発生を踏まえて、全国の活断層が示されたマップについてお知らせしました。
いろいろなマップがインターネット上に公開されていますが、詳しい場所までわかるマップは限られていることや、全ての活断層がわかっているわけではない、ということも分かりました。
活断層を震源とする地震が一度起きると、その周辺では大きな被害が発生します。
ただし、仮に活断層の周辺に建物があっても、いつ起きるかわからない地震に対して多額の費用をかけて対策を行うのはなかなか難しい・・・というのが現状です。
特に個人レベルで対策を取るのはお金の問題からかなり厳しいと言えます。
それと、既に多くの活断層の場所が分かっており、活断層ごとに地震の発生確率は分析されていますが、それでも結果としては日本では次はどの活断層が動くのかは正直分からない・・・、というのが現状。
そこで、今回の地震を踏まえて私達ができることは、可能なかぎり現在の活断層のある場所を知っておくこと、そしてできれば古く耐震性の低い住宅については補強をしておく、仮に新しい家を建てる場合は活断層周辺を避ける、この3点になると思われました。