敬老の日と老人の日の違いについて説明できる人は他にいませんか?

9月の第3週の月曜日は「敬老の日」で祝日です。

9月半ばの連休で楽しみの一つでもあります。

ところが、あれ、、「老人の日」っていう日も聞いたことありませんか?

でも、祝日は敬老の日と書いてあって、老人の日とは書かれてありません。

じゃ、この老人の日って一体何なんでしょうか?

きちんと違いを説明して欲しいと言われたら、あなたはどうしますか?

1.敬老の日と老人の日の違い(その1:法律)

「敬老の日」と「老人の日」には明確な違いがあります。

まず最初の違いですが、それぞれの日を定めた法律が違っています

「敬老の日」「国民の祝日に関する法律によって定められたものなんです。

「国民の祝日に関する法律」は昭和23年にできた法律です。

これまで何度も改正されていますが、最新版は平成29年6月改正です。

この法律の第2条に、現在16の祝日がこの法律の中で定められています。

この16の祝日の内の一つとして「敬老の日」が定められています。

ただし、最初から「敬老の日」が定められていたわけではなく、

「老人の日」は、「老人福祉法」によって定められたもの。

「老人福祉法」はこの昭和38年制定です。

「敬老の日」の方が先にできており、15年も先輩で、あまり知られていない「老人の日」は後からできた日ということになります。

この「老人福祉法」の第5条に「老人の日」が定められています。

ただし、実際は法律ができたかなり後の平成13年(2001年)に法律が改正された際に、「老人の日」が加えられたようです。

それ以前は、敬老の日にあわせて、行事を実施するようにという表現があったようです。

このように、敬老の日と老人の日では、それぞれを定めた法律が違っています。

2.敬老の日と老人の日の違い(その2:日にち)

2つ目の違いについてです。

敬老の日と老人の日では、年によって同じ日になったりしますが、実は日にちにも明確な違いがあります。

「敬老の日」9月の第三月曜日

そのため、年によって日にちが変わります。

2019年の今年の場合は9月16日(月)です。

「老人の日」9月15日

これは老人福祉法に9月15日としっかり定められており、「敬老の日」と違って、「老人の日」は固定されています。

ちなみに、2019年の今年の場合は9月15日は日曜日です。

このように、「敬老の日」と「老人の日」は、年によって同じ日になることもありますし、今年のように違う日になることもあります。

また曜日も違ったり、一緒になったりします。

いずれにしても、普通の人にとっては非常に紛らわしいですよね。

3.敬老の日と老人の日の違い(その3:目的)

3つ目の違いについてです。

それは、それぞれの日の目的が違うということ。

法律が違いますからね。そりゃ、目的も違いますよね。

この2つの日の目的の違いを簡単に言うと、

「敬老の日」は読んで字の如く、高齢者を敬って、長生きしたことを祝うことを目的としています。

一方、「老人の日」は2つの目的があります。

一つ目は、多くの人高齢者福祉についてもっと知ってもらいたいというものと、2つ目は高齢者より良く生きていくよう励ましたいという目的です。

そのため、「老人の日」には「敬老」という概念はありませんでした。

それに、老人の日の2つの目の目的はちょっと行政目線な感じがします!

さて、それぞれの法律に記載された目的の違いを見てみると・・・

「敬老の日」

「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。」(国民の祝日に関する法律 第2条の「敬老の日」についての説明文より)

「老人の日」

「国民の間に広く老人の福祉についての関心理解深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため」(老人福祉法 第5条第1項から)

と記載されています。

この2つの説明文の内容をしっかり読むと、目的の違いがよくわかりますね。

4.「老人週間」というものもあった!

ここまでで「敬老の日」と「老人の日」の2つの違いは分かりましたね。

「老人週間」というものもあるんですが、知っていましたか?

自分は実はこれまで老人週間という言葉を聞いたことがありませんでした!!

老人週間の期間は9月15日から9月21日まで

この期間に国や自治体老人の日と老人週間の趣旨にそった行事が行われるように奨励するんだそうです。

なんともビミョーな表現ですね。

行事を行うように奨励する、行事をしなくてもいい

そんな感じです。

内閣府のホームページには、こういうポスターが掲載されており、老人週間についてPRされていました。

この「老人週間」は「老人の日」を定めている老人福祉法の第5条に規定されています。

う〜ん、見たことないですね。。

ちなみに参考までですけど、法律にはこのように記載されています。

(老人の日及び老人週間)
第五条 国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける。
2 老人の日は九月十五日とし、老人週間は同日から同月二十一日までとする。
3 国は、老人の日においてその趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとし、国及び地方公共団体は、老人週間において老人の団体その他の者によつてその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう奨励しなければならない。

引用:老人福祉法 第5条

5.「敬老の日」と「老人の日」は兵庫県が発祥だった!

いろいろ調べてみると分かったんですけど、「敬老の日」と「老人の日」は兵庫県が発祥の地のようです。

それを説明するために、最後に敬老の日と老人の日ができた経緯をまとめておきますね。

発端は昭和22年兵庫県から

ことの始めは昭和22年(1947年)兵庫県多可郡野間谷村で行われた敬老会だったとのこと。

この時の村長さん、門脇政夫さんの功績が本当に大きかったです。

ちなみに野間谷村は現在無く、現在の多可町八千代区になるそうです。

地図で見ると下図となります。

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