子どものほめ方とか叱り方とかが気になって、いろいろ調べていたんですけど・・・。
「ほめる」という字を検索すると、「褒める」というものがまず出てきます。
変換を続けると「誉める」や「賞める」「讃める」「称る」「譽める」「頌る」という字も出てきました。
う〜ん・・・。今まであまり意識してなかったけど、「ほめる」って一杯あるんですね!!!
なんとなく今までは「誉める」のイメージがあったのですが、一番最初に出てくる「褒める」がどうも正しいような・・・。
ということで、よくわからなくなってしまった「ほめる」について、今回はいろいろと調べてみました。
1.「褒める」が現代国語の書き方
同じ「ほめる」で変換される最初の2つの「褒める」「誉める」の違いについて見てみましょう。
「ほめる」について言えば、「褒める」が常用漢字のため、「褒める」の表記が正しいと言えます。
「誉める」は常用漢字じゃないんですね。
文部科学省による常用漢字表というのがあります。
この常用漢字とは、
「一般の社会生活において現代の国語を書き表すための漢字使用の目安」
とあり、普通使う漢字のことです。
この漢字表の中に、「ほめる」は「褒める」としかありません。
「誉める」の方は、常用漢字表に掲げられた音訓以外の読み方に使われているもの、として紹介されています。
「誉」の常用漢字としての読み方は
「ヨ(名誉や栄誉の「ヨ」のこと)」と「ほまれ(誉れ)」となっており、「ほめる」という読みは掲載されていません。
そのため、「ほめる」を漢字で書く場合は「褒める」を使うのが現代人らしいということになります。
2.褒めると誉めるは同じ意味
この「ほめる」の意味ですが、「デジタル大辞泉」で調べると、「褒める」と「誉める」の両方で表記されています。
この意味は、
1 人のしたこと・行いをすぐれていると評価して、そのことを言う。たたえる。「勇気ある行動を―・める」「手放しで―・める」「あまり―・めた話ではない」こと
2 祝う。ことほぐ。
となっています。
三省堂dictionary でも、「褒める」と「誉める」が両方表記されており、(こちらは説明が超シンプルで)
よい(よかった)と評価する
とあります。
ということで、意味的には「褒める」と「誉める」は同等と扱われているようです。
3.褒める、誉める、賞めるの違い
ということで、「賞める」は辞書には掲載されていません。
そのため、漢字の意味の違いから、「褒める」「誉める」「賞める」を見ると、
「褒める」は褒章,褒美,過褒等の言葉があります。
例えば「褒美」は「ほめたしるしに与える金銭や物品」
「褒賞」は「善行などをほめたたえ、それに対して与える賞」
などとなります。
そのため、「褒める」は良いことなどをしたことをほめたたえる、というニュアンスになると思われます。
「誉める」は名誉や栄誉という「ほまれ」というニュアンス。
常用漢字での読み方のとおりです。
「賞める」では賞品、賞賛等がありますね。
「賞賛」はほめたたえる、「賞品」は賞としての品物・・
となります。
そのため、ニュアンスで言うと、「褒める」と「賞める」がちょっと近い感じがしますが、辞典で一緒に出てくるのは「褒める」と「誉める」ですからね。
結局のところ、辞書にも「誉める」「賞める」は出てこないため、正確なところは残念ながらよくわかりませんでした。
4.褒の漢字の語源
漢字にはそれぞれ語源あります。
そこで、「褒」の漢字の語源を見てみました。
この褒をよく見てみると、「亠」に「保」と「衣」の3つに分解できますよね。
「衣と保」は衣服を表し、からだを包むうちかけ(ゆったりした衣服)を意味するようです。
ちなみに、褒めると同じ読み方で、襃めるもあります。
これは標準の褒と同じ意味・発音を持つのに、書き方が違う異体字という字だそうです。
これって、人によって書き方に差があることでできた漢字のようです。
他にもたくさんあって、例えば 高いの高には、髙という異体字があります。
渡辺という苗字の辺の部分にバリレーションがあり、渡邉とか、渡邊等と書く人もいますよね。
こんなのが異体字です。
ところで、「褒」は「ほう」と読むことから、同じ「ほう」と読ませる報に仮借されて、あることの「見返り」という意味を含むようになったとか。
で、報の方は悪行への見返り(報復)として、褒は善行への見返りとして使われるようになったそうです。
漢字って面白いですよね!
まとめ
今回は、「ほめる」と入力すると変換される、「褒める」「誉める」「賞める」の違いについて調べてみました。
分かったことは
「褒める」と「誉める」は同義語
「褒める」が常用漢字なので、「ほめる」を漢字で書くなら「褒める」とすること
「誉める」で「ほめる」と読ませるのは常用漢字以外の読み方
「賞める」は辞書にはない
「褒める・誉める」と「賞める」の違いは漢字のニュアンスから読み取ることに
ということでした。
記事にするには、ちょっとあいまいな情報になってしまいましたが、漢字は面白いな・・と改めて思いました。
それと、これまでの人生の中で実は「褒める」を書いたことがなく、この漢字をきちんと書けるようにしておこうと思いました。
今回の記事、お役にたてば幸いです!
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