早起きをした娘との会話
娘「今朝はいつもより早起きをしたわ〜」
私「それじゃ、三文の得があるね」
娘「三文って今でいうとどのぐらいの価値なんだろうね?」
私「たぶんその日、一日分の食費ぐらいの金額じゃないんだろうか?」
っていう話をしたんです。
でも、はたと本当にそうなんだろうかと調べてみると・・・三文の価値についての答えはかなり違っていました。
そこで、今回は三文の価値とこのことわざの意味について紹介します。
1.早起きは三文の得って大体いくらくらい?の答えはわずか100円!
最初にこのことわざは「三文の得」と「三文の徳」と両方の漢字が使われています。
その説明は後にするとして、お金の面での「三文の得」を最初に見てみます。
まず「三文」を今の価値でいうと、だいたい
30円〜100円
ぐらいとなります。
えっ?
たった100円って思った方おおいでしょうね。
自分の場合、三文っていうと、自分は1日の食事に必要となる最低の金額ぐらいで、だいたい1,000円〜3,000円ぐらかと思っていました。
しかし、実際はかなり少ない金額でびっくり
ここで言う三文は、一文銭3枚のこと。
一文銭は、一般的には主に江戸時代に使われていた「寛永通宝」の一文銭をさします。
このころのレートから換算した資料によると、1文はだいたい10円から30円ぐらいだそうです。
そのため、三文と言えば、30円から90円ぐらいになります。
2.早起きは三文の徳の意味は?
「早起きは三文の徳」を辞典で調べると、
「早起きをすると健康にもよく、また、そのほか何かとよいことがある」 goo辞典
「早起きをすれば何らかの利益がある。」三省堂大辞林
とあります。
早起きすることによって、いいこと、何らかの利益、があるということですね。
ここで例えられている得の金銭的な額は、わずか「三文」。
前述のとおり、100円に届かないぐらいの価値です。
そのため、早起きをすると、何かはっきりしないけど、少しはいいことがあるというニュアンスです。
ただ、「三文の徳」ですが、伝統的には「得」ではなく、「徳」の文字が使われるようです。
この「徳」の字から多くの人が連想するのは、
徳を積むという言葉で使われるような
「すぐれた品性」や「めぐみ・恩恵」
と言った意味でしょう。
ただ、そうすると
早起きして得られるのは、三文ぐらいのあまり価値の高くない徳???
もしこういう事なら、意味がわかりにくいですよね。
実は「徳」の意味には、「富や財産」という意味もあるんです。
つまり、小さな額かもしれないけど、早起きすることは富や財産を蓄えていくことにつながる・・
そういう意味として捉えることができそうです。
「三文の得」と書く場合の「得」は「損得の得」という対立する概念になります。
そこで、ことわざとしては、「三文の得」と「三文の徳」の両方が使われていますが、「三文の徳」の方がより正しい表現と言えそうです。
3.早起きで本当に徳が得られるのか??
早起きは三文の徳と言われており、早起きするのは健康にも良いと言われています。
文部科学省では子ども達が健やかに成長していくために、早寝早起き、朝ごはんを推奨しています。
確かに子どもの場合は、かなり早い時間に起きることが大切というよりも、学校へ出かける前に朝ごはんを食べることができるぐらいの時間に起きておくことは大切でしょう。
しかし、世の中の研究では、早起きは体に悪いという結果もあるようです。
早起きが病気のリスクを高めるという研究結果もあるとか。
高齢者の場合は、逆に「遅寝遅起」の方が健康にいいとか???
<参考>「早起き」すると寿命が縮む! オックスフォード大の研究で判明(週刊現代2015.10.17)
とは言うものの、多くの方が早起きすることで仕事が捗るとか、健康になるということは言われていますので、このあたりの真相については今後の研究結果に期待したいところです。
まとめ
今回は「早起きは三文の徳」のことわざから、三文の価値と意味について紹介しました。
まず三文ですが、今の価値でいうと30円から100円ぐらいの比較的わずかな金額だったことがわかりました。
そのため、朝朝早く起きることで、金銭的なものも含めて、何かしらの徳が得られるよという意味であることが分かりました。
しかし、実際は早起きすることで常識的に健康に良いというわけでもなさそうだということが、海外での研究で指摘されていることもあり、健康については、単純にこのことわざどおり捉えてよいのか?という疑問が残りました。
とは言うものの、多くの人が言っているように、朝早く起きることで得られるメリットは様々ありそうです。
結局は早起きする人にしか、その徳は得られなさそうだというのが結論と思われます。