滋賀県甲賀市と言えば、甲賀忍者の里。
この甲賀市で甲賀忍者の末裔を探しだすというプロジェクトが始まったというニュースがありました。
今の時代にも忍者が生き抜いている・・・?というわけではないそうですが、忍者を観光資源として地域おこしを進めていこうという意図があるようです。
ところで、甲賀忍者が話題に登りましたが、忍者と言えば伊賀忍者???
はて、この甲賀忍者と伊賀忍者ってどんな違いがあるのでしょうか?
今回はそれを調べてみました。
1.甲賀と伊賀はどこ??
甲賀忍者、伊賀忍者って言いますが、この甲賀と伊賀っていうのはどうも地名っぽい。
しかし、一体どこの地域のことだったのでしょうか?
甲賀は今の滋賀県甲賀市と湖南市にあたります。
伊賀は三重県伊賀市と名張市。
地図で見ると、こんな感じ。
甲賀と伊賀は山一つ分け隔てた場所だったと言われていますが、確かに隣り合わせですね。
実は甲賀市の甲賀は「こうが」と読まず、「こうか」と読むそうです。
そのため、甲賀忍者も本当は「こうがにんじゃ」ではなく「こうかにんじゃ」と呼ぶのが正しそうです。
2.甲賀忍者と伊賀忍者の違い
これで場所は分かりましたが、地理的には結構近い場所ということがわかりましたね。
では、一体甲賀忍者と伊賀忍者は何が違うのでしょうか?
甲賀忍者は忠義を尽くす
甲賀忍者と伊賀忍者は任務の果たし方のスタイルが大きく異なります。
甲賀忍者は1人の主君に忠義を尽くしていました。
甲賀忍者の人たちは普段は農業をしたり、行商をしたりして各地の情報を探る活動をしていました。
一般人に紛れ込んで生活してたようです。
ただし、指令が出ると戦地に出向いたり、様々な工作活動に携わりました。
特徴的なのは忍術の流派の中でも「薬の扱い」が得意だったそうです。
その理由で、この甲賀の地域には大正製薬等の製薬会社が今でも多いんです。
面白いですよね。
伊賀忍者は傭兵
一方、伊賀忍者は今でいう「傭兵」
ビジネスのプロに徹しているという感じだったようです。
伊賀忍者は契約は金銭のやり取り以上の関係を雇い主との間に持たないのが特徴でした。
甲賀忍者が忠義を尽くすというタイプだったのに比べて、伊賀忍者は超ビジネスライクでドライに任務を果たしていたようです。
それが象徴的なのは雇い主が敵同士の場合。
もし、依頼があれば敵味方の両方に忍者を派遣したという例もあるようです。
そのため、仲間であっても雇い主のために互いに戦うっていう厳しい対応も求められたようです。
このように、甲賀忍者・伊賀忍者っていいますけど、任務の果たし方は大きく異なっていたんです。
甲賀と伊賀は敵対していたのか?
ところで、忍者ハットリくんの影響かどうかよくわかりませんが、甲賀忍者と伊賀忍者は敵対関係にあったように思っていましたし、よくそのように言われています。
しかし、地理的にも甲賀と伊賀は隣り合わせです。
そのため、実は伊賀の人々と甲賀の人々は協力関係にあったそうです。
そうですよね・・・。
どちらかの土地に敵が攻め込んだ場合、甲賀・伊賀が力を合わせて敵をやっつけるという約束していたとか。
敵対関係にあるというのはテレビや映画の演出の中で生まれたものだったのかもしれません。
3.甲賀・伊賀忍者は誰?
で、さっきでてきた忍者ハットリくんですけど、忍者と言えば、その他にも馴染みのある忍者がいますよね。
これってテレビやマンガの影響もあって、年代によってすぐに思い浮かぶ忍者が違っているかもしれません。
最後にテレビやマンガに出てくる有名な甲賀忍者と伊賀忍者を探してみました。
甲賀忍者
サスケ
忍者マンガの代表と言えばサスケかな・・・。
白土三平作の少年忍者の成長を描いたもの。
テレビで馴染みがありますが、マンガは改めて読んでみたいです。
ケムマキケムゾウ(忍者ハットリくん)
忍者ハットリくんに敵役として出てくるのがケムマキ。
香取慎吾が主演の映画ではガレッジセールスのゴリが演じていました。
何となく伊賀忍者という感じがしましたが、甲賀忍者だったんですね。
確かに映画の中でも甲賀流・・とか言っていたように記憶しています。
岡めぐみ(超電磁マシーン ボルテスV)
超電磁マシーン ボルテスV VOL.1(DVD) |
そうだったんですね。
もうすっかり存在すら忘れていました「超電磁マシーン ボルテスV」。
いや〜懐かしい。
※http://rupanana.fam.cx/anime/sogo/index.jsp?id=374より引用
この ボルテスチームの中の紅一点「岡めぐみ」が甲賀忍者だったとか。
設定では甲賀流十八代目の忍者でした。
どう見ても設定年齢にように見えませんけど、設定年齢は13歳!
驚きです。
ちなみに、マンガに出てくるキャラクターで見た目と設定年齢が大きく違うキャラはコチラにまとめてみました。
伊賀忍者
忠義の甲賀忍者、傭兵の伊賀忍者というイメージが出来たと思いますが、ちょっとイメージと違ったのが、忍者ハットリくんです。
ハットリくん(忍者ハットリくん)
ハットリくんの本名は服部貫蔵(はっとりかんぞう)。
マンガの設定としても伊賀の里から東京に出てきています。
伊賀忍者の服部半蔵の子孫のようで、実はハットリくんは伊賀忍者でした。
カムイ(カムイ伝)
こちらはなるほど、、伊賀忍者という感じ。
白土三平による長編マンガで、厳しい世界観が描かれています
あと、ちょっと微妙ですが、以下は伊賀忍者では・・・
伊賀野カバ丸
「マーガレット」に掲載された少女マンガです。
亜月裕の作品。面白かったですけどね。
マンガの設定でははっきり伊賀忍者とされていたかどうか不明です。
手裏剣戦隊ニンニンジャー
戦隊物では3作品目となるニンジャもの。
主人公は伊賀崎家ということで、伊賀忍者っぽいですよね。
赤影(仮面の忍者 赤影)
これも古いですね。
怪獣なんかがたくさん出てきて、エンターテーメントの忍者物の元祖と言えるかもしれません。
敵役に甲賀忍者が出てきますが、赤影自身が伊賀忍者だったかは不明です。
こうやって見ると、甲賀忍者と伊賀忍者がもっと身近に感じますよね。
補足:甲賀忍者の末裔を探すプロジェクト開始
で、びっくりなのが、最初に紹介したこの話。
最近甲賀市で、甲賀忍者の末裔を探しだすプロジェクトが始まったとか。
既にFacebookで最新情報が掲載されていたり、甲賀市内で取られたという監視カメラに写った忍者らしい老夫婦の超人的な行動が紹介されていたりします。
コレってとっても面白い活動なので、引き続き注目しておきたいと思います。
まとめ
今回は甲賀忍者と伊賀忍者の違いについて見てみました。
この2つの流派の忍者は互いに敵対していたとばかり思っていましたが、そんなことは決してなかったこと
伊賀忍者はお金の契約でなんでもやってしまうような傭兵だったこと
マンガやテレビに出来た忍者がどちらの流派に属していたかなど・・
いろいろ分かりました。
どちらの忍者も博物館があります。
忍者にもっと興味が出た方は忍者の本場で勉強してみるのもいいかもしれませんね。